11月 252012
 

週プレNEWS によると。

10月30日、アメリカのウォルト・ディズニー社は『スター・ウォーズ』で知られるジョージ・ルーカス監督の映像制作会社「ルーカスフィルム」を約40億ドル(約3200億円)で買収すると発表した。ディズニーは『スター・ウォーズ』シリーズに関する権利も同時に取得。過去に告知までされながら製作されなかったシリーズ9部作のラスト3作にも着手し、エピソード7の公開を2015年に目指す。

ここのところ、ディズニーは巨額の買収劇を繰り返している。2006年には『トイ・ストーリー』などで知られるCGアニメスタジオのピクサーを約74億ドル(約8740億円)で、続く2009年には『スパイダーマン』『アイアンマン』などを生み出したアメリカ最大のコミック出版社、マーベルを約40億ドル(約3700億円)でそれぞれ買収した。この裏事情を、アメリカ在住の映画評論家・町山智浩氏が解説する。

「『リロ・アンド・スティッチ』(2002年)以降、ディズニーでは“フランチャイズ”と呼ばれる、テレビ番組やキャラクター製品などで継続的に売れ続けるシリーズ作品が生まれず、低迷していたんです。ピクサーやマーベルの買収には“フランチャイズ”を作れないなら買ってしまおう、という背景がありました」

さらにこの夏、ルーカスフィルム買収を決定的にした映画があった。

「2億5000万ドル(約200億円)をかけてつくった映画『ジョン・カーター』が大コケした。ディズニーは現在のアメリカにおいて、日本のトヨタのような存在で、半ば公企業。安定経営は絶対です。それだけに、確実な収入が見込める“フランチャイズ”が必要となり、今回のルーカスフィルム買収につながったと考えられています」(町山氏)

『都市の消費とディズニーの夢』(角川書店)を著すなど、ディズニーを研究するライターの速水健朗氏によれば、同社がこうした“フランチャイズ”やキャラクターの重要性を強く認識したのは1990年代末ではないかという。

「ディズニーは1984年のアイズナー氏のCEO就任以降、テレビのネットワークやネット企業を買収するなどのマルチチャンネル戦略を推し進めて、低迷から脱しました。アイズナーの路線は、製作スタジオから過去の資産を最大限に生かすコンテンツホルダーへの事業転換でした。複合メディア企業はほかにあっても、過去のコンテンツをお金に換えるという能力では、ディズニーが抜きん出ています。その意味では、ルーカスの遺産をお金に換えるというのを、誰よりもうまくやれるのはディズニーだけでしょう」

貪欲にコンテンツをかき集めるディズニー。当然、次の狙いも定まっているのか?

「おそらくハズブロです。『スター・ウォーズ』などの玩具を作っているメーカーなんですけど、ディズニーとしては『スター・ウォーズ』の権利を買ったなら、その玩具を作るのも自分たちのほうがいい。ディズニーはディズニーストアというチェーン店を持っているのでそこで売ることができますし、ハズブロは『トランスフォーマー』や『G.I.ジョー』などの権利も持っているので、それらもついてきます」(町山氏)

町山氏の試算では、映画の興行収入を4億ドル、DVDの売り上げを同じく4億ドル、玩具類の売り上げは年2億~5億ドルとして、新シリーズ三部作が公開できれば、今回の買収にかかった額はほぼ回収できてしまうという。果たしてルーカスフィルムの買収は、ディズニーの“帝国化”をさらに推し進めることになるのだろうか

 Posted by at 12:36 AM

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