4月 292016
 

西日本新聞 によると。

 熊本地震の被災地では、高齢者や障害者ら「災害弱者」といわれる人と家族たちが避難所で過酷な生活を続けている。災害時に配慮が必要な人を受け入れる福祉避難所として機能するはずの施設が被災し、開設が進まずに車中泊も多い。障害者や難病患者などの特性に応じた合理的配慮を公的機関や民間事業者に求める障害者差別解消法が4月に施行されたばかり。専門家は「支援の在り方が問われる」と話す。

知らないと損する罹災証明書活用の流れ

 約450人が避難する熊本県西原村の西原中体育館で過ごす西岡照洋さん(63)一家。娘の知香さん(31)は発育・発達が遅れ筋力が弱く、幼少期から白内障の症状が出る難病「マリネスコ・シェーグレン症候群」を患う。知香さんは、1畳ほどのスペースで座ったままの体勢が続く。手や上半身を動かして軽い運動をするが、十分ではない。病気に詳しい医師によると、運動量が減ればより筋力が低下し、体を動かしにくくなる恐れがある。

 車いすでの生活。避難所に設置された仮設トイレは和式で使えず、当初はトイレのたびに損傷した自宅に両親が連れて帰っていた。周囲の環境に敏感な知香さんにとって間仕切りがない生活もストレスだ。母の比呂子さん(62)は「みんながつらい状況だが、体が不自由な人がいる実情を知ってほしい」と話す。

 同県益城町保健福祉センターの避難所で、姉(81)を介護する男性(75)が確保したスペースは出入り口近くの階段の下。硬いタイルに毛布を敷いて過ごす。姉は右半身にまひがあり1人でトイレに行けない。屋外にある仮設トイレまで車いすに乗せて連れて行く。約15センチの段差では車いすを抱え、健常者だと1分もかからない場所も通路を遠回りして数分かかる。これを毎夜7、8回は繰り返す。
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 一方、約2万人が避難生活を送る熊本市。25日午後、東区の長嶺小体育館に避難する松岡貞次郎さん(63)は、ほぼ寝たきりの92歳の母のそばに座っていた。「母の世話で離れられない」。食事の配給の列が長いと、並ぶのを諦めた。市の福祉避難所への入所を希望したが最初は断られた。25日朝、再度頼んだが、担当者に「連絡します」と言われたまま。携帯電話の着信を待つ。

 同市は、支援が必要な高齢者や障害者など「災害時要配慮者」といわれる人を約3万5千人と想定していた。しかし、今回の地震で被災した要配慮者の数や今どんな生活をしているのか、行政側は実態がつかめていないという。市は災害救助法に基づき、福祉避難所を設置する協定を176の福祉施設などと結び、約1700人の利用を見込んだ。しかし、施設の被災などで、受け入れができているのは27日午後1時時点で43施設、計207人にとどまる。市の担当者は理由を「被災に加え、介助スタッフが足りない」と説明した。

 24日から3日間、被災地を調査した同志社大の立木茂雄教授(福祉防災学)は障害者差別解消法を踏まえ「要配慮者が過酷な環境での生活を続ければ、関連死が増える恐れがある。行政は障害者や高齢者の避難状況を早急に把握し、福祉施設だけでなく民間の旅館やホテルを福祉避難所として活用することなども検討していくべきだ」と話した。
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災害時要配慮者

 内閣府によると、災害の発生や危険が迫っていることの認知や安全な場所に避難すること、避難先で生活を続けることなど一連の避難行動に困難があり、支援が必要な人たちを指す。立ち上がりや歩行が自力ではできない高齢者や障害者、難病患者のほか、乳幼児や妊婦なども含まれる。

 Posted by at 12:50 AM

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