5月 072016
 

デイリー新潮 によると。

 何しろ16日の会見では「経験則から外れている」「(本震の)予測は困難」と、他ならぬ気象庁がすっかりお手上げの態だった。ことほどさように今回の激震は異例ずくめなわけだが、その“メカニズム”を繙(ひもと)いたところ、のっぴきならない事態が生じていることが明らかになったのである。

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 あらためて振り返ると、14日夜に発生したM6・5の“前震”は、震度7の益城町(ましきまち)から八代海に延びる「日奈久(ひなぐ)断層帯」で引き起こされ、続いて16日未明にM7・3を観測した“本震”は、阿蘇山西麓から宇土(うと)半島にまたがる「布田川(ふたがわ)断層帯」で発生したものである。

 その後、大分県を走る「別府─万年山(はねやま)断層帯」でも、地震活動は活発になっていった。

「断層」とは、地層に力が加わってずれが生じた箇所であり、今後活動するとみられる「活断層」は国内に2000余り存在する。中でも、特に活発なものは政府の地震調査委員会が「主要活断層」と位置付けており、現在はおよそ100を数える。

「活断層は、数十万年前以降に繰り返し活動してきたものです」

 とは、東京大学地震研究所の古村孝志教授。

「それでも、注意すべきなのは地表に現れている活断層の付近だけではありません。地下に隠れているものがM6クラスの地震を引き起こすおそれも十分にある。つまり、日本中のあらゆる場所で可能性があるということを意味するのです」

 その上で、京都大学防災研究所付属地震予知研究センターの西村卓也准教授が解説するには、

「そもそも通常は、地震によって断層の“ひずみ”が解消されて活動が収まっていくわけですが、今回はM6・5の後、さらに大きな地震が起きた。国内でこうした例は過去百数十年の間にほとんどありません。加えて、阿蘇や大分など震源域が北東方向に飛び火しました。離れた場所で活発化するというのも、従来は見られなかったケースです」

 かつて地震予知連絡会の会長を務めた大竹政和・東北大名誉教授も、

「GPSの観測データや余震分布データから考えるに、布田川断層が30キロ以上にわたってずれ動いたことは間違いありません」

 そう前置きしつつ、

「一連の地震について現象的に言えば、私どもが歴史上見たことのない、史上初の事態が進行していると言っても過言ではありません」

 というのだ。

「いま問題になっている断層の位置は、大きな括り方をすれば『別府─島原地溝帯』と呼ばれるエリアに含まれます。東北東から西南西に伸びるこの帯を境目にして、地質学的に現在、九州は北と南に割れつつあります。年間でミリ単位程度しか動かないので目立ちませんが、ざっと100万年後、九州は北島と南島に分断されることになる。そうした大きな動きの中で、何が起こるか予測がつかないのが現状なのです」(同)

 前回、熊本で大地震が起きたのは127年前の1889年。規模はM6・3であった。

「この時もM6級の地震が10年ほど断続的に続きました。これも『地溝帯』という厄介なエリアの特徴です。こうした過去に鑑みれば、今回もまた“長期戦”になるのだろうと思われます。関連地震の可能性としては、阿蘇山から別府にかけての北東側が案じられますが、それよりはるかに不気味なのが、今回の日奈久断層が一気に崩れる事態。そうなれば、M7~7・5規模の揺れが襲いかかって来るでしょう」(同)

 その地溝帯には、熊本のシンボルともいえる阿蘇山も位置している。

 地震前から火山活動が活発化し、3月4日に続いて今月16日朝にも小規模な噴火がみられたものの、気象庁は「地震とは直接関連がない」とした。しかし翌17日には、布田川断層帯が実は阿蘇山のカルデラまで達していた、と判明したのである

 Posted by at 9:54 PM

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