むしろ、LGBT支援が進めばみんなの生産性が上がる | 5つの在日外国商工会議所が異例の共同記者会見

クーリエ・ジャポン によると。

2018年9月19日、在日米国商工会議所(ACCJ)は「日本で婚姻の平等を確立することにより人材の採用・維持の支援を」と題した日本政府に対する意見書を公表した。

この意見書に在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所(ANZCCJ)、在日英国商工会議所(BCCJ)、在日カナダ商工会議所(CCCJ)、在日アイルランド商工会議所(IJCC)が賛同し、同日、異例の記者会見が開かれた。

提言は次のとおりだ。

在日米国商工会議所(ACCJ)は、日本政府に対して、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)カップルにも婚姻の権利を認めることを提言する。LGBTカップルに婚姻の権利を認めることにより、日本でビジネスを行う企業が、生産性を最大化するための職場環境の基礎的要素である、人材の採用や維持、そして多様な従業員の公平な処遇において直面している障害を取り除くことができる。

こうした「婚姻の平等」の実現に取り組むメリットが3つあるという。

1. 国際競争力
2. ダイバーシティの進んだ、より生産性の高い職場環境の推進
3. ダイバーシティとインクルージョンが進んだコミュニティを支援

つまり、国際的に活躍する人材を獲得し維持するためには、多様性と包摂性が担保された職場環境が不可欠であり、LGBTカップルに婚姻の権利を認めることはその具体的な証しになるという主張だ。それが、ビジネス・経済の観点から企業全体の生産性を最大化することになるというのだ。

折しも前日、LGBTは(子供をつくらないので)「生産性」がないと論じた杉田水脈衆議院議員の寄稿を擁護するような特別企画「そんなにおかしいか杉田水脈論文」が組まれた『新潮45』が発売されたばかりだ。

このタイミングで「LGBTと生産性」というホットイシューについて、ビジネスの観点から、しかも5つの在日外国商工会議所が連帯してメッセージを発したという出来事は意義深い。生産性を問うべき相手は、LGBTの人々ではなく、むしろ企業や社会ではないか──という問い直しとも受け取れるからだ。

さらなる国の商工会議所からの賛同を歓迎しているという。2020年東京五輪に向けた日本のダイバーシティとインクルージョン政策に世界の商人たちが注目しているのだ。

なお、この動きは「LLAN(LGBTとアライのための法律家ネットワーク)」や金融業界のネットワーク「LGBTファイナンス」からもバックアップされており、「新潮流」として強まりこそすれ、弱まることはないだろう。

LGBT当事者やアライのコミュニティで共有されているのは、これはLGBTなど性的指向の多様性に留まらない基本的人権の問題だという理解だ。

記者会見に出席した筆者は、日本国憲法の前文にある次のくだりを想起した。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

この崇高な理念をいろいろなかたちで具現化することが、いまほど求められているときもないのではないか。

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