全日本を制した坂本花織の気迫。「跳ぶから観てろよ、って」

Number Web によると。

 演じきった瞬間、右手を激しく宙に叩きつけるように手ごたえを示す。

 得点が出た瞬間には、「え、えーっ」と目を見開くと、両手で顔を覆った。

 2018年12月23日、全日本フィギュアスケート選手権女子フリー。同大会初優勝と世界選手権代表を決めた坂本花織は、いつものように豊かな感情とともに、喜びを表した。

 ショートプログラムで宮原知子に次ぐ2位につけ、迎えたフリーは、昨年の大会に続く、最終グループ、最終滑走。

 オリンピックイヤーだった前回は、五輪代表をかけての重圧の中で臨んだ。

 今回もまた、プレッシャーは大きかった。

 他の選手全員が滑り終えて、220点台というハイスコアを紀平梨花、宮原、三原舞依の3人が出していた。

 坂本が今シーズンの最大の目標とする世界選手権の出場枠は3だが、簡単に超えられる点数ではない。ミスが許される状況ではなかった。
自己ベストを大幅に越えて優勝。
 だが、「1年間を無駄にしたくない、死ぬ気でやるしかない」と、重圧を振り切る。

 本人は「完璧じゃなかった」と振り返るが、冒頭のトリプルフリップ-トリプルトウループの連続ジャンプから、しっかり決めていく。

 スピン、そして苦しんできたステップはすべてレベル4を獲得。

 そればかりではない。昨シーズンよりもつなぎはきめ細かくなり、繊細な振り付けが『ピアノ・レッスン』の曲と符合し、見事な演技を披露する。

 すると、国際スケート連盟非公認ながら、今シーズンのフリーの自己ベストである10月のスケートアメリカで出した142.61を大幅に上回る152.36をたたき出す。総合得点でも228.01で、優勝を飾ったのである。
ついに演技構成点で高い評価が!
 この優勝は、総合力を向上させた賜物と言ってよかった。

 「コンテンツシートを見たら、下の点数が初めて70点を超えていて……ブラッシュアップした成果がちゃんと出たのかなって」

 と、自身でも成果としてあげるように、演技構成点で高い評価を得たことも成長を物語っている。

 それは今シーズンの歩みをも示している。

 昨シーズンが終了したとき、新たなシーズンの青写真をこう語っていた。

 「今シーズン頑張ってきたみたいに、自分に甘くならないようにどんどん自分を追い込んでいって、レベルアップできるようにしたいと思います。ジャンプは今のままで、表現力とか必要になってくると思うので、スケーティングスキルをもっとあげていかないと」

 言葉だけにとどまらず、練習で着実に取り組んできた。

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